アフリカ協同組合スタディーツアー 9月11日 (コープ春日部店・エコセンター)
ILOと日本生協連(JCCU)によるアフリカの協同組合関係者のスタディーツアー、9月11日は埼玉県にあるコープみらいのコープ春日部店と、千葉県にあるコープデリのエコセンターを訪問しました。
コープデリグループは関東近郊の1都7県の生協とコープデリ連合会で構成されており、商品・システム・物流・経理・人事教育などの共通基盤を整備し、宅配・店舗・サービス事業などのチェーン本部機能を共同で作り上げています。
そのなかで、コープみらいは埼玉、東京、千葉のエリアでの活動を担っています。
生協を通じたモノの流れ、資源のリサイクル、そしてリサイクルの過程における雇用創出やディーセント・ワークへの取り組みを垣間見ることができました!
コープみらい コープ春日部店見学
まず最初に、コープみらいのコープ春日部店を訪問しました。ここでは、持続可能性や環境に配慮した様々な取り組みを行っています。
例えば、屋上にはソーラーパネル があり、太陽光発電でなんと店内の電力の10%をまかなっています!
地場野菜コーナーでは、地元の農家から毎朝野菜が届けられるため、輸送によるCO2排出が抑えられます!買い物客からも人気が高いそうです。
循環型社会への取り組み
特に、資源の循環ということが非常に高く意識されています。店内の生ゴミは堆肥に利用され、その堆肥で育てられた野菜がまた店内に並びます。
店内にはリサイクルボックスが設置されており、牛乳パックやペットボトル、空き缶などが回収されます。さて、回収されたものはどこに行くのでしょうか??
それを知るため、我々は次の場所に向かいます!
コープデリ エコセンター見学
次に向かったのはコープデリのエコセンターです。ここで、資源ごみをリサイクルするための加工が行われます。
そして、このリサイクルのプロセスとディーセント・ワークの関係についても見ていきましょう!
このリサイクルのためのエコセンターですが、それがつくられたきっかけは何なのでしょうか?
物流センターから店舗や宅配センターに商品を宅配した後に、配送トラックは物流センターへと戻っていきます(戻り便)。この戻り便を有効活用することで、資源ごみを回収できるのではないか、という発想からエコセンターは生まれました。つまり、商品を配達した帰りに資源ごみを回収してきて、このエコセンターに運ぶのです。
リサイクル × ディーセント・ワーク
それでは、雇用創出や労働安全衛生への配慮といったディーセント・ワークへの取り組みを見ていきましょう!
ペットボトルはラベルなどを取り除き、機械で圧縮されます。この作業は障害のある人の職業訓練としても利用されています。ここで働く基礎を身に着け、他の会社で職を得ることができるといいます!
社会福祉法人と連携してこのような取り組みが実現しています。
こちらは圧縮されたアルミ缶です。
アルミ缶の処理作業では障害のある人が訓練ではなく、実際に雇用されて働いています!
古紙の処理では、機械に巻き込まれる事故を防ぐために、従業員はICタグをつけており、万が一の場合には非常停止が行われる仕組みになっています。ICタグが作動するための電池の交換も定期的に行っています。
このように、労働安全衛生 にも細心の注意を払っています。
夏は暑い中での作業になるので、扇風機で涼しくなるように配慮しています。
冬は逆に寒い中での作業となるので、カイロなどを支給しています。
エコセンター見学後は、コープデリの概要に関する講義がありました。研修参加者はそのビジネスや運営の仕組みに大変感心をもって聞いていました!
500万人もの会員数、130以上のストア数、AIを活用した最先端の宅配ビジネス、今後のコープデリの展望などをお話しいただきました!
タンザニアの酪農の協同組合の参加者は、コープデリの宅配注文のシステムを、牛の飼料の注文にも応用したいと話していました。
一方で、若者も生協の組合員になるものの、利用率が低いということが課題だといいます。それに対して、子育てをする若い家庭向けのサービスを行うなど、様々な取り組みを行っているところだとのお話がありました。
環境への取り組みから雇用創出まで、協同組合の幅広い役割を実感できる研修となりました。