ILO_Japan_Friends’s diary

ILO Japan Friends’ diary

国際労働機関(ILO)駐日事務所・インターンによるブログです。

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【ILO本部訪問レポート】

ジュネーブILO本部を訪問しました!

 

インターンSは幸運にもジュネーブにあるILOの本部を訪問する機会に恵まれましたので、本部を訪問して感じたこと、学んだことをインターンブログでご紹介したいと思います!

こちらがILO本部の建物です!

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想像していたよりも大きな建物でした。周りは人工池や自然に囲まれています。

 

建物の中に入ると、ILOのプレスリリースなどで何度もみたことのある100周年記念の青い絨毯が迎え入れてくれました。

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実はILO本部の建物は3つに分けることができ、この絨毯のあるフロアは2つの建物をつなぐ役割を持っています。建物が3つに分かれているのはILOの政労使三者構成を表しているとか。

三者構成はILOの建物の多くに影響を与えており、政労使の控室が別々であったり、理事会での席も政府が中央に座りその両翼がそれぞれ労使の席と決まっているようです。他の国際機関にはない特徴で興味深いです。

 

なお、毎年6月にILO総会が行われるのはILO本部ではなく近くの国連欧州本部の建物の中の大きな会議場です。そちらも訪問させていただきました。

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昨年の暴力・ハラスメント条約の採択や100周年記念宣言がここで行われたのかと思うと感慨深いです。

 

ILO本部では三人の方からお話を伺い、ディスカッションをすることができました。

30年もの間ILO本部で労働法の専門家として基準設定に携わられてこられた野口さんからはILOの歴史、ILOの基準設定と開発協力分野の相互関係についてお話いただきました。特に児童労働をなくすという目標のためにまずは両親の労働環境を生産的にすることが必要であるという話はILOならではの視点であると感じましたし、個人的にも非常に納得できるものでした。

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協同組合ユニットに所属されている和気さんにはインターン中に日本でもお会いしていたのですが、ILOにおける協同組合への取り組みについて包括的にお話を聞くのは今回が初めてでした。ディスカッションを通して仕事の世界における協同組合の役割についてのILOの考え方を学ぶとともに、協同組合については効率性や規模について確固たる指標が存在しておらず、これからの取り組みの深化が期待される分野だということも感じられました。

ソーシャルファイナンスの分野で長年技術専門官として勤務されているBredaさんからは労働基準を策定するILOが金融に取り組む理由や具体的な取り組みについてお話いただきました。金融包摂の取り組みとしていくつかの国で初等中等教育における金融教育の実施が検討されているという話を聞くと、一見誰もが金融サービスにアクセスできる日本においても金融包摂はまだまだ発展途上なのではないかとも思いました。ソーシャルファイナンスの根幹にある財政パフォーマンスと社会的パフォーマンスの双方の重視という部分については自分自身非常に興味のある分野であるため、具体的なパフォーマンス評価の仕方などについて学びを深めたいと感じました。

 

ILO駐日事務所で半年間インターンをさせていただき、偶然にもその最後にILO本部を訪問する機会を得たことは、憧れでしかなかった国際機関という存在を間近に感じるきっかけにもなりましたし、多くの専門家が自身の分野で「仕事の世界」に貢献する姿はとても刺激的でした。このレポートがその空気感だけでも読者の皆様にお伝えすることができていればとてもうれしいです!

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