【ILO×JCA:COOPスタディーツアー】労働金庫・こくみん共済
【ILO×JCA:COOPスタディーツアー】労働金庫・こくみん共済編
9月12日(木)は協同組合原則に基づいて運営されている金融機関である労働金庫(ろうきん)とこくみん共済を訪問しました!
【労働金庫(ろうきん)】
「ろうきん」は労働組合や生協などの非営利団体の会員の出資によって成り立っており、主に出資者の労働組合員や生協の組合員が利用しています。このよう勤労者が運営に参加できる仕組みが確立されている「ろうきん」ですが、勤労者の金融包摂を目指して活動しています。
ろうきんはSDGs行動指針を作成しています。そのなかには、勤労者の資金を、勤労者の生活向上への融資、ESG投資、ソーシャルファイナンスなどにあてること、労働組合や生協、NPO、社会福祉法人などとのネットワークを生かして社会的課題の解決に取り組んでいくことなどが盛り込まれています。
課題としては非正規雇用、働く女性の増加や、シングルマザー、外国人の勤労者などの金融アクセスの向上があります。また、高齢者や認知症患者の預金資産が多く、その活用も課題だといいます。
ろうきんは協同組合であり、相互扶助を基調としており、利益追求の株式会社とは異なるということも強調されていました。
リーマンショックの際には職業安定ローンを提供し、家を失った失業者の再就職支援につなげる取り組みをしていたこと、多重債務問題について取り組み、貸金業法の改正につながったことの話もありました。
こちらは預金の引き出し方の実演です。
ギー・チャミ氏から100周年の記念切手を手渡しました。
【こくみん共済】
午後に訪問させていただいたのが、こくみん共済です
入り口を抜けると、こくみん共済のマスコットキャラクターであるピット君がお迎えしてくれました。可愛いですね。
こくみん共済は2019年6月までは全労災という名称で活動していたため、全労災という名称の方が聞き覚えの有る方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こくみん共済は共済事業を行う協同組合です。共済事業とは、生活を脅かすリスクに対し、相互扶助の精神で保険の仕組みを使った事業のことだそうです。出資金を払うことで組合員は生活のリスクを分散させることができます。
こくみん共済の方からのご説明ではこくみん共済の歴史、扱う共済事業の拡充、他の協同組合や民間保険会社との違い等についてのお話を伺いました。
特に興味深かったのが地震保険の設立の経緯についてのお話でした。阪神・淡路大震災を契機に市民発・組合員発の形で地震保険というサービスが求められるようになり、こくみん共済もその要望に応えていきました。これはまさに協同組合の精神である相互扶助が発揮されたケースのように思われます。
研修生からも地震保険にあたっての罹災レベルの判断の仕方や額、政府補償との補完関係についての質問が飛び交いました。
課題として挙げられていたのが民間保険会社との関係でした。こくみん共済の方は民間保険会社と「競争」するのではなく「共生」を望むとおっしゃっていました。民間のほうが上手くできることは民間が、共済のほうが上手い分野は共済がカバーするといったように、各金融機関の性質を理解して加入してもらうことが重要だということでした。
その後は隣接のこくみん共済ホールにもお邪魔させて頂きました。こくみん共済ホールは安価で市民に貸し出しを行っているスペースで、絵画や音楽等の芸術活動を促進するために設置されています。
劇や演奏が行われるホールスペースはとても広く、音の反響も素晴らしい施設でした!
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以上でCOOPツアー(ろうきん・こくみん共済編)はおしまいです
次回はセミナーについてのレポートを公開したいと思います。
投稿をお楽しみに!