【ILOサイドイベント】パネリスト紹介とガンビアの雇用
パネリスト紹介、今回はガンビアの「貿易・産業・地域統合及び雇用担当大臣」、ラミン・ジョベ氏をご紹介します!
日本でいうなら経済産業大臣と厚生労働大臣を兼ねているというイメージでしょうか、ガンビアの経済、雇用の要となる方です。
ラミン・ジョベ氏は1981年~96年までガンビアの複数省庁で勤務後、企業でインベストメントマネージャーやゼネラルマネージャーとして活躍。その後、2019年3月よりガンビアの「貿易・産業・地域統合及び雇用担当大臣」に就任しています。
【ジョベ氏とガンビアの雇用】
そのジョベ氏ですが、ガンビアの雇用問題に積極的に取り組んでいます。
「ガンビアにおいて最も重要な資源は人である」とも語っています!
2019年の労働者の日(Labour Day)には、省として、若者や女性、障がいを持つ人も含めた雇用機会を創出していくと述べています。
また、日本の資金拠出を受けてILOがガンビアで行っている、「若年雇用の創出による持続可能な平和構築」において、250人の若者の雇用機会が創出されたことにも言及しました。
(出典: http://thepoint.gm/africa/gambia/article/trade-minister-committed-to-creating-job-opportunities )
【ガンビアの労働法ニュース】
ガンビアの2007年の労働法の44条では、求職者と雇用主を結びつける雇用サービス(employment service)や求職者の登録に関する規定があります。
労働法では、この雇用サービスは以下のようにデザインされることが求められています。
- a) 求職者の登録が雇用のマッチングに有効なツールとなること
- b) 雇用主が雇用サービスに空席を知らせるようになることを促進すること
- c) 求職者にどのような仕事ができるかを登録させることを促進すること
- d) 労働組合、使用者団体等と協議し、雇用サービスの有効性を高めること
- e) 雇用サービスを、ユーザーをひきつけるようにデザインすること
今年の4月には、ジョベ氏は、この労働法44条が実行できるための十分な基盤ができたと述べています。
(関連ニュースはこちら http://thepoint.gm/africa/gambia/article/trade-ministry-to-ensure-implementation-of-2007-labour-act )
ガンビアの労働法にご関心がある方は、ILOの労働法データベース「NATLEX」からご覧いただけます! https://www.ilo.org/dyn/natlex/natlex4.detail?p_lang=en&p_isn=79075&p_country=GMB&p_classification=01.02 )
ガンビアは、UNDPの支援を受け、2012年以来6年ぶりに、大規模な労働力調査を公表しました。100ページ以上にも渡る詳細な統計です!
(こちら https://www.gbosdata.org/downloads/gambia-labour-force-survey )
統計レポートの構成は以下のようになっています、ご関心のある分野を少し見てみるのも良いかもしれません!
第1章 背景
第2章 調査方法
第3章 人口構成
第4章 労働力人口
第5章 就業人口
第6章 インフォーマルセクター
第7章 失業
第8章 時間的な不完全雇用
第9章 若者雇用と失業
第10章 海外への移住
第11章 子どもの就業、労働
その中でも、TICADサイドイベントに関連する「若者雇用と失業」の章を少し取り上げたいと思います。
失業率(労働力人口のうち、失業している割合)についてみると、ガンビア全体では、若者の失業率は41.5%と高い数字です。都市部では30.6%と比較的低いですが、地方では、69.4%と非常に高くなっています。
(レポート 68頁)
さらに、全ての若者のうち、若者のうち、仕事にも就かず、職業訓練や教育も受けていない人(NEET / ニート)の割合は、都市部で54.1%、地方では45.9%、とやはり高くなっています。
(レポート 70頁)
ガンビアの雇用はまだまだ課題が山積していますが、その中でジョベ氏は雇用創出、ディーセント・ワークの実現に奮闘されています。サイドイベントでのお話にもぜひご期待ください!!
(事前登録必須。詳細はILO HPをご確認ください https://bit.ly/2JY6ZHW )